中国四川省は30日、結婚している男女がもうける子供の数を制限しないと発表した。
中国では昨年、60年ぶりに人口が減少に転じ、政府が対策を迫られている。
長年「一人っ子政策」を取ってきた中国だが、徐々に緩和され、2021年からは3人まで子供が持てるようになった。
四川省の新たな政策では、結婚していない個人も子供が育てられるようになるという。これまでは、未婚の女性は出生届が出せなかった。
「一人っ子政策」が施行されたのは1979年。この政策に反した家族は罰金が科せられるだけでなく、仕事を失う場合もあった。
伝統的に女児より男児が好まれる中国では、この政策の影響で強制中絶が行われたり、1980年代以降の不均衡な男女比が生み出されたりしたと言われている。
中国政府は2016年、出生率(人口1000人当たりの出生数)の下落を食い止めるために「一人っ子政策」を廃止した。しかし昨年は初めて、出生率を死亡率(人口1000人当たりの死亡者数)が上回った。
習近平国家主席は昨年10月に開かれた第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、出生率の引き上げが優先課題だと発言。政府もこれまで、税制優遇措置や母親の健康管理の改善などで、出生率の低下を阻止、あるいは緩和しようとしてきた。
中国では現在、新型コロナウイルス関連死との闘いが続いている。昨年12月にゼロコロナ政策が解除された後、新型ウイルスが各地で猛威を振るっている。
東アジアでは日本や韓国でも、人口減少と高齢化が問題となっている。
Source:bbc News
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